粗利30%でも手元に残らない——塗装業『見えないコスト』の正体

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粗利30%でも手元に残らない——塗装業『見えないコスト』の正体

見積上は粗利30%を確保しているのに、月末になると通帳の残高が薄い——そんな経験をしている塗装会社は少なくありません。原因は売上や塗料単価ではなく、日常業務に埋もれた『見えないコスト』にあります。本記事では、塗装業特有の利益を蝕む構造を解説します。


「粗利30%」の計算式に含まれていないコストがある

夜21時、事務所の蛍光灯の下で見積書を見直す社長の手が止まります。数字は合っているはずなのに、なぜか利益が出ていません。

塗装業の粗利計算は、多くの場合「売上-材料費-外注費」で出されています。ところが実際の現場では、この式に入っていないコストが積み重なっています。

代表的なものを挙げると、以下のとおりです。

  • 段取り(現場着工前の準備・養生資材の搬入調整)にかかる職人の移動時間
  • 色番(日塗工・ND・SRなどのカラー番号)の確認電話や手配のやり直し
  • 現場ごとに異なる希釈率・標準塗布量の再確認作業
  • 発注ミスによる材料の返品・再発注のロスタイム

これらは「作業」ではなく「段取り」に分類されるため、工数として歩掛(作業1単位あたりの工数)に乗らない場合がほとんどです。

外壁塗装の現場が月10件あれば、発注書・確認連絡・修正対応だけで月20〜30時間は消えていきます。職人1人あたりの日当を逆算すると、それだけで数万円規模のロスになります。

粗利率は「計算上の数字」と「実態」が乖離しやすい業種です。まず自社の段取りコストを可視化することが、利益改善の第一歩になります。

出面管理の穴が、じわじわ利益を削る

現場帰りの軽トラの中で、職人がLINEに日報を送ります。「今日は外壁2面ケレン(旧塗膜や錆を除去する下地処理)おわり、明日から下塗り」——その一文だけでは、何人工(にんく:作業員1人1日分の工数単位)かかったか、進捗が計画比でどこにいるか、まったく把握できません。

出面(でづら:日々の作業員の稼働記録)管理が曖昧なまま現場が進むと、次のような問題が発生します。

  • 計画より人工が膨らんでいても、完工後にしか気づけない
  • 途中で下地処理が増えても、追加費用を請求するタイミングを逃す
  • 職人ごとの作業スピードの差が歩掛に反映されず、次の見積精度が上がらない

特に築30年超のマンション改修では、開けてみるまでわからない劣化が多く、現場での判断変更が頻繁に起きます。その都度の工数変動が記録されないまま完工すると、実行原価は見積原価を軽く超えています。

現場監督が複数現場を掛け持ちしている場合、この「記録の穴」はさらに広がります。月次で利益を締めたとき、どの現場でどれだけ膨らんだかが追えない状態では、次の見積に活かすことも難しくなります。

出面管理は職人への負担を増やすためではなく、会社が正確な原価を知るための仕組みです。その認識の転換が、地道に利益率を改善していきます。

なぜ塗装業専用のツールが必要なのか——Angaが生まれた理由

汎用の工程管理ツールや会計ソフトは多くあります。しかし、塗装業の現場で実際に使われ続けるツールは非常に限られています。その理由は「業種の固有語彙と慣習」にあります。

Anga(アンガ)は、塗装会社を経営する株式会社イーテクノス・井上恭介氏が開発したツールです。自社の現場で痛感した課題をそのまま機能に落とし込んでいます。

例えば、こうした場面に対応しています。

  • 職人が「クリマイ」と書いたとき、クリーンマイルドシリコンとして認識する略称学習
  • 色番N80・3分艶など、日塗工コードのまま発注書を作成できる入力設計
  • 現場ごとの実行原価と見積原価を並べて表示し、利益の乖離をリアルタイムで把握

一般的なAIツールに「N80の3分艶で吹付仕上げ」と入力しても、意味を正確に処理できるものはほとんどありません。塗装業の言語で動くことが、現場での定着率を大きく左右します。

「使いこなせなかった」ではなく「最初から塗装業の言葉で動く」設計——これがAngaが塗装会社から支持される理由です。

見えないコストを削るためには、現場の言葉で動くツールが不可欠です。汎用ツールを無理やり使いこなそうとするコスト自体も、実は見えないコストのひとつになります。

見えないコストを減らすための、現実的な3ステップ

色番の確認電話が鳴るたびに、現場監督の手が止まります。その1本5分の電話が、1日に何本あるかを数えた人は少ないかもしれません。

見えないコストを削るには、一気に仕組みを変える必要はありません。以下の3ステップから始めると、変化が数字に現れやすくなります。

【ステップ1】現場単位で原価を記録する習慣をつける
完工後でなく、週次で実行原価を確認します。外壁塗装の現場であれば、下塗り・中塗り・上塗りの工程ごとに人工と材料を分けて記録するだけで、どこで膨らんでいるかが見えてきます。

【ステップ2】段取りにかかる時間を「コスト」として認識する
職人の移動・養生資材の確認・発注書作成を「仕事前の準備」ではなく、原価に含まれる工数として扱います。1現場あたりの段取り時間を記録するだけで、見積の精度が変わります。

【ステップ3】現場の言葉で動くツールを選ぶ
入力の手間が増えるツールは現場で使われません。職人・監督が普段使っている言葉のまま記録できる環境が、継続の条件になります。

粗利30%を「実際に手元に残る30%」にするには、計算式を変えるより、計算式の外にあるコストを見える化するほうが早いです。その第一歩は、今日の現場の記録から始まります。

粗利は出てるはずやのに、なんで残らんのか長年わからんかった

月20〜30時間
月10現場規模の塗装会社で発注・確認・修正対応に消える時間の体感値

完工後が大半
出面管理が曖昧な現場では、利益の膨らみに途中で気づけないケースが多い

1現場3〜5本
日塗工コード・艶指定・希釈率の確認で発生する手戻り連絡の現場感覚値

7日間無料で試す

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