残業45h規制で粗利が消える?職人の暗黙知をDX化する方法

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残業45h規制で粗利が消える?職人の暗黙知をDX化する方法

残業45h規制で粗利が消える?職人の暗黙知をDX化する方法

月45時間の残業上限が罰則付きで義務化されました。しかし工数を削るだけでは粗利も削れます。真の問題は、段取り・歩掛・色番指示が職人の頭にしか存在しない構造です。その情報をデジタルで外に出す方法を解説します。


「時間を削れ」と言われても現場が止まる理由

2024年4月、残業上限規制が建設業にも罰則付きで適用されました。月45時間・年360時間以内が義務となり、違反すれば6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

夜21時の事務所で、翌日の外壁塗装現場の段取り表を手書きしている監督の姿は、今も珍しくありません。

問題の本質は「労働時間の長さ」ではありません。段取り情報が特定の職人・監督の頭の中にしか存在しないことです。

外壁塗装の現場で考えてみてください。

  • 下地処理(ケレン・下地調整)の手順と注意箇所
  • 使用塗料の色番(日塗工N80など)と希釈率
  • 養生範囲の細かい取り決め
  • 前回入った職人の癖と施主からの申し送り事項

これらがLINEと口頭とメモ帳に分散しています。担当職人が休めば現場が止まり、監督が抜ければ段取りがゼロからやり直しになります。

工数を物理的に削っても、この構造が変わらなければ対応できる仕事が減るだけです。人件費は上がり、受注量は落ち、粗利だけが削れていきます。

2025年12月施行の改正建設業法でも労働条件改善と賃金水準確保が義務化されており、この流れは加速する一方です。

残業上限(通常)

月45時間

2024年4月から建設業に罰則付きで適用された残業上限規制

違反時の罰則

懲役6ヶ月または罰金30万円

残業上限違反に科される刑事罰。経営者が直接問われるリスク

営業利益率改善実績

5.5%改善

DX推進による業務効率化で達成した塗装会社の営業利益率改善幅

段取り情報が「頭の中」にある限り生産性は上がらない

塗装現場の生産性を語るとき、歩掛(作業1単位あたりの工数)の話になりがちです。しかし歩掛以前の問題があります。「誰が何を知っているか」が属人化している問題です。

現場帰りの軽トラの中で、ベテラン職人が翌日の吹付仕様を頭の中で整理しています。その情報は翌朝の口頭指示だけで伝わり、記録には残りません。

具体的に何が起きているかを整理します。

  • 見積もり段階の歩掛と実際の出面(作業日数)が一致しているか誰も確認しない
  • 築30年マンション改修で発覚した下地不良の対応履歴が次の現場に引き継がれない
  • 色番の確認電話が1現場あたり平均3〜4回発生し、その都度監督の手が止まる
  • 職人ごとの塗り癖や得意不得意が口頭伝承のまま管理されない

この状態で残業を削ると、情報の引き継ぎにかかる時間だけが増えます。減らしたはずの残業時間が、確認と手戻りで埋め戻される形です。

解決策は「情報を外に出す」ことです。段取り・歩掛・色番・養生指示・前工程の状態——これらを現場ごとにデジタルで記録し、誰でも参照できる状態にする必要があります。

情報が外に出て初めて、工数削減が粗利改善に直結します。

「段取りは全部頭に入ってる。でも俺が倒れたら現場止まるよな」

Angaが塗装業に特化した理由

Angaは汎用業務ツールではありません。塗装会社の経営者が、自社の現場課題を解決するために開発したツールです。

開発者は株式会社イーテクノスの井上恭介氏です。塗装会社を実際に経営した経験から、「一般的な業務管理ツールでは塗装業の現場は管理できない」という結論に至りました。

その理由は明確です。

  • 色番(日塗工・ND・SRコード)の入力・管理に対応した設計
  • 「クリマイ」「ND-101」など職人が使う略称・現場用語を学習する仕組み
  • 標準塗布量・希釈率の管理と実績値の記録が現場単位で可能
  • 天候による工程変更を履歴として残せるため、工期トラブル時の根拠資料になる
  • 見切り(塗り分け境界の処理)や養生仕様を写真・テキストで紐付け記録

汎用ツールでは「色番N80を間違えて発注した」「希釈率の指示がLINEに埋もれた」という事故を防ぐ設計になっていません。

Angaはこれらの情報を現場ごとに構造化し、監督・職人・経営者が同じ画面で確認できるようにします。現場ごとの利益が見えない問題も、出面と歩掛を記録することで解消できます。

段取り情報を「頭の外」に出すための設計が、塗装業専用である理由です。

情報を外に出した会社が粗利を守っている

残業上限への対応と粗利改善は、矛盾しません。情報をデジタルで外に出した会社が、両方を同時に実現しています。

LINEに溜まる日報を眺めながら、翌日の段取りを組み直している監督の深夜作業——その時間こそが、最初に削れる残業です。

実際の経営改善事例として、DX推進により営業利益率を5.5%改善した塗装会社の事例があります。また、下請けから元請けへの転換と情報管理の見直しで粗利益率を3倍に改善した事例も報告されています。

いずれも共通するのは「現場情報の見える化」を先に行った点です。

塗装業で情報を外に出すとは、具体的に以下を意味します。

  • 現場ごとの歩掛・人工の実績値を毎回記録する
  • 色番・希釈率・標準塗布量を現場データとして蓄積する
  • 下地処理の状態と対応履歴を次の現場に引き継げる形で残す
  • 見積もり段階の工数と実績のズレを経営者が把握できる状態にする

2025年12月の改正建設業法では、著しく短い工期の禁止とリスク情報の契約書明記が義務化されます。天候リスク・下地状況・工期変更の根拠——これらも記録が残っていれば契約トラブルの防止に直結します。

残業を削った先に粗利を守れるか。その分岐点は「段取り情報が職人の頭の外にあるか」です。

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