塗装会社M&A実査——利益根拠を出せない会社の末路

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塗装会社M&A実査——利益根拠を出せない会社の末路

塗装会社M&A実査——利益根拠を出せない会社の末路

買い手候補が事務所に来た日、工事台帳も歩掛データも発注履歴も出てこなかった——そんな会社に値段はつかない。2026年の倒産急増局面で廃業か叩き売りかの二択を避けるために、今から12ヶ月で積み上げる「原価・労務・発注の三点データ」が企業評価額を変える唯一の入口になります。


実査当日、社長は何も出せなかった

夜21時の事務所。机の上には現場ごとのメモ書きと、色番(日塗工N-80・SR-410など)を鉛筆で書いた付箋が散らばっています。

M&Aの仲介担当者から「過去3期分の工事別粗利と、職人一人あたりの出面(でめん:現場稼働日数)データをください」と言われたとき、返せる書類が一枚もない——これが塗装会社の現実です。

売上3億円でも、利益の根拠を数字で説明できなければ買い手はつきません。買い手が見たいのは「この会社の利益は再現できるか」という一点です。

  • 現場ごとの原価が出ない
  • 職人の人工(にんく:作業1単位の工数)が記録されていない
  • 材料の発注履歴が担当者のLINEの中だけに存在する

この三つが揃わない会社は、財務諸表の数字があっても「なぜ儲かっているのか」を証明できません。結果、企業評価は最低水準に張り付きます。

塗装業の倒産が2026年に入ってから前年同期比で増加傾向にある今、売りたくても売れない会社が急増しているのはこれが理由です。

「三点データ」がなぜ企業評価を変えるのか

外壁塗装の現場を10件こなせば、材料費・職人の出面・下請け発注の三つのデータが自然と発生します。しかしそれをシステムに記録している塗装会社は、体感値でも半数に届かないでしょう。

買い手が評価するのは以下の三点です。

  • 原価データ:工事種別(外壁・屋根・鉄骨ケレン〔さびや旧塗膜の除去作業〕など)ごとの材料費・施工原価の推移
  • 労務データ:職人一人あたりの人工と歩掛(作業1単位あたりの工数)の実績値
  • 発注データ:下請け業者・材料メーカーへの発注単価と数量の履歴

この三点が12ヶ月分揃えば、買い手は「この会社の利益構造は透明だ」と判断できます。逆に言えば、12ヶ月積み上げれば間に合う段階に、今はまだ立っています。

2025年12月施行の改正建設業法では、請負代金の変更方法の明確化や契約記載事項の厳格化が義務付けられました。この流れは「原価の見える化」を避けられない方向へ業界全体を動かしています。

法対応と企業価値向上を同時に進めるなら、今がデータ整備の最後のタイミングです。

データ積み上げ期間

12ヶ月

企業評価の根拠となる三点データを揃えるために必要な最低期間

塗装業倒産動向

2026年1〜4月

前年同期比で倒産件数が増加。職人不足・資材高騰・原油供給不安が重なる局面

法改正タイミング

2025年12月

改正建設業法施行。契約記載事項の厳格化と原価の見える化が業界全体に求められる

Angaが塗装業に特化した理由

現場帰りの軽トラの中で「あの現場、結局いくら残ったんだろう」と思いながらも確認できない——Angaはその問いへの答えを出すために作られました。

開発者は塗装会社を経営する株式会社イーテクノスの井上恭介氏です。汎用の工事管理ツールではなく、塗装業の「あるある」を起点に設計されています。

  • 色番(日塗工・ND・SR)を品番として登録し、「N-80を間違えてN-85で発注した」ミスを発注履歴から追える
  • 「クリマイ」「クリーンマイルドシリコン」「CMS」など職人ごとの略称表記を学習し、材料集計のズレを防ぐ
  • 養生・下地処理・吹付・見切りといった工程ごとに人工を入力すると、現場ごとの歩掛が自動で蓄積される
  • 希釈率・標準塗布量と実際の使用量を比較し、材料ロスを可視化する

機能の核心は「原価・労務・発注の三点データを、現場の運用を変えずに積み上げられること」です。

専用アプリへの入力を強制せず、LINEで完結する設計にしたのも、現場の職人が実際に使わなければデータが生まれないという現実を知っているからです。

塗装会社の社長が自分の会社の値段を説明できるようになるためのデータは、ここから積み上がります。

12ヶ月後、あなたの会社に値段がつく条件

M&Aと事業承継が塗装業界で活発化しています。後継者不在の中小塗装会社と、施工網を拡大したい大手・中堅企業のマッチングは今後も増え続けます。

問題は、売り手側の準備が間に合っていないことです。中小企業庁が設置する事業承継の相談窓口や専門家派遣制度を活用しようとしても、「利益の根拠となるデータ」がなければ専門家も評価額を出せません。

12ヶ月後に企業評価の土台を作るための条件は、シンプルです。

  • 工事台帳:受注から完工まで、工事種別・施工面積・使用材料を記録する
  • 出面管理:職人ごとの稼働日数と工程(ケレン・下地処理・仕上げ塗り)を紐付ける
  • 発注履歴:材料メーカー・下請け業者への発注単価と数量を日付付きで残す

築30年マンション改修の外壁塗装1件でも、この三点が揃えば「次の同規模案件の原価予測」が立てられます。それが積み上がると、買い手は「この会社は利益を再現できる」と判断します。

職人不足・資材高騰・改正建設業法への対応と、企業価値の積み上げは別々の話ではありません。現場の原価を正確に把握することが、すべての起点になります。

今から始める12ヶ月は、廃業でも叩き売りでもない第三の選択肢を手に入れる期間です。

売ろうとしたとき初めて、何も残ってないのに気づいた

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