塗装発注は電話一本厳禁、改正建設業法対応3手順

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塗装発注は電話一本厳禁、改正建設業法対応3手順

塗装発注は電話一本厳禁、改正建設業法対応3手順

電話一本の発注でずっと回してきた会社ほど、2025年12月の改正建設業法で足元をすくわれます。塗装発注ミスをなくす手順を、下準備から確認まで具体的に示します。


目次

1. 発注前の準備でつまずく会社が9割

2. 発注のやり方――口頭を「文字」に変える3ステップ

3. ミスを防ぐ確認――出す前に見る3点

4. 業界の変化と、記録を残す仕組みの選び方

発注前の準備でつまずく会社が9割

口頭発注が悪いわけではありません。問題は「何を確認してから電話するか」を決めていないことです。

改正建設業法では、契約内容の明確化と著しく短い工期の禁止、天候や下地状況などのリスク情報提供義務が新しく求められます。つまり電話で「明日から3日でお願い」と伝えるだけの発注は、記録が残らない時点でアウトです。

準備の手順

  • 現場ごとに工期・仕様・数量をメモに落とす(頭の中だけで終わらせない)
  • 色番(日塗工・ND・SR)と希釈率、標準塗布量を仕様書レベルで確定させる
  • 天候リスクや下地の劣化状況など、事前に把握できるリスクを1行でいいので書き出す

ここでつまずく典型例は、職人の経験則に頼りすぎて「いつもの感じで」と伝えてしまうことです。新人職人が入った途端に仕様がズレて、手直しの人工(作業員1人分の工数)が丸1日飛ぶケースをよく聞きます。

発注のやり方――口頭を「文字」に変える3ステップ

電話やLINEでの発注自体は残して構いません。大事なのは、口頭で伝えた内容をその場で文字化する仕組みです。

実行の手順

  • 発注内容を口頭で伝える(従来通りでOK)
  • 直後に工期・金額・仕様変更の有無をテキストで送り返す(LINEでもメールでも可)
  • 相手からの「了解」の返信を必ず記録として残す

この3ステップを飛ばすと、請負代金の変更方法が不明確なまま工事が進みます。改正法では請負代金変更の方法を契約書に明記することが求められているため、後から「言った・言わない」になった時点で元請との信頼は一発で切れます。

ここでつまずく典型例は、追加工事の発注です。現場で「ついでにこの面もお願い」と口頭で頼み、金額の合意を後回しにしてしまう。この抜け漏れが、契約書明確化を求める元請から見ると「管理できていない会社」という評価につながります。

ミスを防ぐ確認――出す前に見る3点

発注書を出した後ではなく、出す前の確認で防げるミスがほとんどです。

確認の手順

  • 工期に無理がないか(職人の出面と天候リスクを突き合わせる)
  • 仕様書と現地調査の内容が一致しているか
  • 金額変更が発生しうる箇所に、事前合意の記録が残っているか

築30年のマンション改修現場で、下地処理の範囲を口頭だけで済ませたために、ケレン(下地の錆や旧塗膜を除去する作業)の範囲が現場ごとに職人の解釈で変わってしまった、という話も珍しくありません。

塗装発注ミスの多くは、発注の瞬間ではなく「確認を省略した瞬間」に生まれます。3点確認だけは、現場が何件重なっていても外さないやり方に変えておく必要があります。

業界の変化と、記録を残す仕組みの選び方

塗装工事業では2026年に入ってから倒産件数が前年より増えている状況です。職人不足と資材高騰、原油・ナフサ供給不安が中小・零細の経営を圧迫しています。

この流れの中で、後継者問題や経営基盤強化を目的にM&Aや事業承継が進む会社も出てきました。事業承継の相談窓口や専門家派遣は商工会議所経由で利用できる制度もあるので、選択肢として知っておいて損はありません。

ただ、倒産にせよ承継にせよ、根っこにあるのは「発注と契約の記録が残っていない」という同じ弱点です。改正建設業法後は、この弱点を放置したまま元請と取引を続けるのは難しくなります。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、まさに電話とLINEだけの発注で仕様の伝達ミスに悩んだ経験があります。そこから、職人とのやり取りをそのまま記録に残せる発注ツール「Anga」を自社の現場のために作りました。口頭のやり取りを消さずに、契約書に必要な項目へ変換できる仕組みです。

電話で伝えた話が、契約書には残ってなかった。それだけで元請の信用が消えた。

よくある質問

Q. 塗装の発注ミスが多い会社は何から直すべきですか

まず発注前の準備段階で、工期・仕様・数量をメモ化する習慣をつけてください。口頭発注そのものをやめる必要はなく、伝えた内容をその場で文字に残す仕組みを追加するだけで大半のミスは防げます。

Q. 改正建設業法で契約書に何を書けばいいですか

工期・請負代金とその変更方法、天候や下地状況などのリスク情報の明記が求められます。特に塗装は天候依存が大きいため、着工前にリスク情報を1行でも書き残しておくことが実務上の防御になります。

Q. 職人とのLINE発注はこのままでも大丈夫ですか

LINE自体は問題ありません。ただし発注内容と金額変更の合意を、口頭やLINEの流れの中に埋もれさせず、契約に必要な項目として残せる形にしておくことが今後は求められます。

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