塗装業原価管理、Excelで粗利22%が8%になる理由

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塗装業原価管理、Excelで粗利22%が8%になる理由

外壁面積1200㎡、工期42日、職人延べ168人工。完工時は喜んだのに、決算で粗利8%しか残らなかった現場があります。原因はExcel集計の1週間遅れでした。


1. 見積り粗利22%のはずが、決算では8%だった

2. 問題が起きた瞬間 足場代の再発注が漏れていた

3. どう動いたか 現場担当者が拾い直すまで3週間

4. 結果どう変わったか 現場ごとの粗利を工事中に見る仕組みへ

見積り粗利22%のはずが、決算では8%だった

築28年、鉄筋コンクリート造の分譲マンション改修工事です。

外壁面積約1200㎡、屋上防水込みで工期42日、下地処理からタイル補修、フィラー、上塗り2回まで含む案件でした。見積り時点の想定粗利は22%。元請からの信頼も厚く、追加工事も含めて受注額は980万円まで膨らみました。

完工した時点では現場監督も社長も「今期の柱になる」と話していたそうです。ところが半年後の決算で、この現場の実際の粗利は8%しかなかったことが判明しました。差額の14ポイント、金額にして約137万円がどこに消えたのか、誰も即答できませんでした。

問題が起きた瞬間 足場代の再発注が漏れていた

原因を遡ると、足場代の再発注が現場のExcelに反映されていなかったことが分かりました。

当初の足場は21日間のリース契約でしたが、雨天による工程の組み直しで実際は35日間かかっています。延長分の請求書は経理に届いていたものの、現場ごとの原価シートには手入力されておらず、翌月の集計担当が気づかないまま決算まで放置されていました。

塗料代も同様です。シリコン系上塗りを4斗缶換算で32缶発注する予定が、下地の吸い込みが想定より激しく、追加で6缶発注していました。この追加分の伝票も、現場担当者のExcelシートと本社の集計シートで二重管理になっており、片方にしか反映されていなかったのです。

人工の数字も現場と事務所でズレていた

延べ168人工の想定に対し、実際は雨天順延で188人工かかっていました。日報はLINEで共有されていたものの、月末にExcelへ転記する作業が現場監督の手作業だったため、繁忙期に転記漏れが2回発生しています。

どう動いたか 現場担当者が拾い直すまで3週間

決算で赤字傾向が発覚してから、経理担当が現場監督に確認の電話を入れました。

現場監督は現場終了後すでに別の3現場を掛け持ちしており、記憶を頼りに足場代・塗料代・人工を拾い直す作業に3週間かかっています。請求書の束を倉庫から引っ張り出し、LINEの日報履歴を1日ずつ遡り、ようやく差額の内訳が見えてきました。

この拾い直し作業自体に、現場監督の実働で約15時間、経理担当で約10時間かかったといいます。1現場の原価を確定させるためだけに使った時間です。塗装会社が抱える現場が同時に10件あれば、同じ作業を10回繰り返す計算になります。

完工した時は儲かったと思ってたのに、決算見て青ざめたよ

結果どう変わったか 現場ごとの粗利を工事中に見る仕組みへ

この一件のあと、この会社は現場ごとの原価をリアルタイムで集計する仕組みに切り替えました。

足場代、塗料の缶数、人工の出面(出勤した職人の人数と日数)を、発生した都度スマホから入力する運用に変更しています。Excelのように月末にまとめて転記するのではなく、追加発注や工程延長が起きたその日に反映される形です。

結果、次の同規模改修工事(外壁面積約1100㎡、工期38日)では、工事が終わる前の段階で粗利が19%まで下がっていることが見えました。足場の延長が発生した時点でアラートに気づき、元請への追加請求交渉を工事中に済ませられたためです。決算を待たずに手を打てたことが、最終的な粗利を確保した最大の要因でした。

原価管理システムを検討する塗装会社の担当者から「Excelでも項目を増やせば同じことができるのでは」と聞かれることがあります。理屈上はできますが、転記作業と二重管理をなくさない限り、遅れて気づく構造は変わりません。私たちイーテクノスも塗装工事を自社で請け負う中で、同じように決算まで現場の利益が見えず苦しんだ経験があります。そこから生まれたのがAngaで、足場代・塗料代・人工をLINEやスマホから入力するだけで、現場ごとの粗利が工事中に見える仕組みにしています。

よくある質問

Q. Excelでの原価管理と原価管理システムの違いは何ですか

Excelは月末にまとめて転記する運用になりがちで、追加発注や工程延長の反映が遅れます。原価管理システムは発生時点で入力する運用にできるため、工事中に粗利の変化に気づける点が最大の違いです。決算まで待たずに手を打てるかどうかが分かれ目になります。

Q. 塗装会社が原価管理を後回しにしがちな理由は何ですか

受注と施工に追われ、原価集計は事務所の手が空いた時にまとめて行う会社が多いためです。現場監督も掛け持ちが多く、日々の入力に時間を割きにくい事情もあります。結果として原価の遅れが常態化し、決算で初めて赤字に気づくケースが起きます。

Q. 原価管理システムを導入すると現場の負担は増えませんか

入力項目が多すぎるシステムは現場の負担になりますが、LINEやスマホで発生都度に入力できるタイプなら、月末にExcelへまとめて転記する手間がむしろ減ります。導入時は入力項目を絞り、現場監督が使い続けられる形にすることが分かれ目になります。

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