追加工事代金が回収できない5つの原因
追加工事の代金を口頭確認だけで進めていませんか。改正建設業法対応を検索したなら、書面化の手順を今日から変える必要があります。
1. なぜ「了解です」の一言が命取りになるのか
2. 手順1:追加が発生した瞬間にやること
3. 手順2:金額と工期を書面にして即日渡す
4. 手順3:完了前にもう一度確認を取る
5. 手順4:請求書と一緒に証拠一式を添える
6. 口頭確認からの卒業に、記録を残す仕組みを足す
なぜ「了解です」の一言が命取りになるのか
外壁塗装の現場で、下地の劣化が想定より激しくてケレン(下地処理)の範囲が広がる。よくある話です。
現場監督が施主に電話して「追加で3万円かかりますが大丈夫ですか」と聞く。施主は「はい、お願いします」と答える。ここまでは普通の流れです。
問題は、この会話が録音も書面も残っていない点です。工事が終わって追加請求書を出した瞬間、施主が「そんな高い金額は聞いていない」と言い出せば、証拠は何もありません。
2024年の建設業法改正は、まさにこの「口頭合意の危うさ」に対応するために、追加工事や工期変更の際の書面交付をより明確に求める方向に動いています。感覚で済ませていた慣習が、法的にも通用しなくなりつつあります。
手順1:追加が発生した瞬間にやること
追加工事の芽が出た瞬間、現場でやるべきことは1つです。写真を撮って、その場で施主に見せることです。
築30年マンションの改修現場で、シーリングの劣化が図面より深刻だった場合、口で説明するより写真1枚のほうが施主は納得します。ここで「言った言わない」を防ぐ土台ができます。
つまずきやすい失敗
写真だけ撮って満足し、金額の話を後回しにするケースが多いです。写真は「事実の証拠」であって「金額合意の証拠」にはなりません。次の手順とセットで初めて意味を持ちます。
手順2:金額と工期を書面にして即日渡す
写真を見せたその場で、追加金額と工期延長の見込みを簡単なメモでもいいので書面にします。正式な契約書でなくても構いません。
手書きの追加工事確認書に「工事内容・金額・施主のサイン」の3点があれば、最低限の証拠になります。これをその日のうちに渡すか、写真で送ることが肝心です。
つまずきやすい失敗
「後で正式な書類を送ります」と言って先延ばしにすると、そのまま工事が進み、完了後に「聞いていない」と揉めるパターンが典型です。仮でもいいから、その場で残す。これが回収率を分けます。
手順3:完了前にもう一度確認を取る
追加工事が完了する前、遅くとも足場を外す前に、施主とその内容を再確認します。
出面(現場に入った人工の数)が予定より増えた場合、金額が最初の口頭合意より膨らんでいることがあります。この時点でズレがあれば、完了後より修正がずっと楽です。
確認の際は、当初の追加工事確認書を見せながら「これで間違いないですか」と口頭でも念押しします。書面と口頭の二重確認が、トラブルを未然に防ぎます。
つまずきやすい失敗
完了直前の確認を省略し、請求書の段階で初めて金額のズレに気づくケースがあります。この段階まで来ると、施主側も「今さら」という感情が先に立ち、話がこじれやすくなります。
手順4:請求書と一緒に証拠一式を添える
最後の請求では、金額だけでなく、最初の写真・追加工事確認書・完了前の確認記録をセットで渡します。
元請けとの取引でも同じです。追加工事の根拠が一式そろっていれば、支払いの承認もスムーズに通ります。証拠が薄いと、元請け側の経理担当が承認をためらい、入金が遅れる原因になります。
書類が3件バラバラで、しかも紙とLINEメッセージに分散していると、いざという時に集める手間だけで半日かかることもあります。1つの記録にまとめておくかどうかが、回収スピードを左右します。
口頭確認からの卒業に、記録を残す仕組みを足す
ここまでの手順、正直どれも当たり前のことばかりです。ただ、現場が10件動いていると、写真・金額・サインの3点を毎回きっちり残すのは、想像以上に手間がかかります。
私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、追加工事の記録がLINEと紙とメモ帳にバラバラに散らばり、月末に集めるだけで丸1日つぶれていた経験があります。そこから、現場でのやり取りをそのまま記録として残せるツールAngaを作りました。
写真と金額のやり取りをその場でチャット形式に残せるので、追加工事確認書を別に作る手間が減ります。改正建設業法対応の書面化を、特別な作業ではなく普段の連絡の延長でこなせる形にしています。
口頭確認をやめる決断さえできれば、あとは記録の置き場所を1つに決めるだけです。
口頭でいいよって言われた瞬間が、一番危ないんだよな。
よくある質問
Q. 追加工事の金額は口頭でも法的に有効ですか
口頭合意自体は無効ではありませんが、証拠が残らないため後日のトラブルで不利になります。改正建設業法の趣旨も踏まえると、金額・工期・内容を書面かデータで残す運用に切り替えることが現実的な対応になります。
Q. 改正建設業法対応として最低限何をすればいいですか
追加工事が発生した時点で、内容・金額・工期見込みを簡単な書式でもいいので書面化し、施主か元請けの確認を取ることです。正式契約書でなくても、写真とメモ書きの組み合わせで最低限の証拠になります。
Q. 元請けから追加費用を認めてもらえない時はどうすればいいですか
追加工事発生時の写真、金額提示のやり取り、完了前の再確認記録の3点をセットで提示すると、経理担当も承認しやすくなります。証拠が分散していると、認められるまでに時間がかかる原因になります。