写真放置の塗装会社が日報で原価を見える化する法

>

写真放置の塗装会社が日報で原価を見える化する法

写真放置の塗装会社が日報で原価を見える化する法

スマホに現場写真が3000枚たまっているのに、どの現場がいくら儲かったか答えられない。原因は日報が「記録」で止まり「集計」に繋がっていないことです。手順で直します。


1. 導入前に「何を集計したいか」を決める

2. 現場ごとに入力ルールを最初の1週間で固める

3. 雨天中止や工程組み替えの記録漏れを防ぐ

4. 月末ではなく週次で原価を確認する

5. 日報の先にある経営課題まで含めて考える

手順1:導入前に「何を集計したいか」を決める

日報アプリを入れる前に、まず出面(現場ごとの人工数)・原価・工程のうちどれを最優先で見える化したいかを1つに絞ります。全部同時にやろうとすると設定だけで挫折します。

塗装会社の場合、まず詰まりやすいのは原価です。現場が10件並行していると、塗料費・外注費・人工費がどの現場にいくら乗っているか、決算になるまで分からないというケースが少なくありません。

ここでつまずく

「とりあえず写真管理だけできればいい」で選ぶと、後から原価集計機能が無くて結局Excelに戻る、という失敗が多いです。写真の先に何を見たいかを最初に決めておくと選定がぶれません。

手順2:現場ごとに入力ルールを最初の1週間で固める

アプリを配っただけでは職人は入力してくれません。入力する項目を「出面・使用塗料・希釈率・進捗(下地処理/下塗り/上塗り)・写真」の5つに絞り、テンプレート化します。

新人が入る現場では、色番(日塗工)を読み違えて記入するミスが起きがちです。番号だけでなく色名も併記するルールにしておくと、後で見返したときに事故が減ります。

最初の1週間は現場監督が朝礼で「今日はこの5項目だけ入れて」と声をかけ続けるのがコツです。ここで習慣化できるかどうかで、3ヶ月後に集計データが使えるかが決まります。

ここでつまずく

項目を最初から15個以上設定してしまい、職人が入力を面倒がって写真だけ撮って終わる、というパターンです。項目は少なく始めて、慣れてから増やします。

手順3:雨天中止や工程組み替えの記録漏れを防ぐ

外壁塗装は天候に左右されます。雨で1日流れた、乾燥待ちで翌日に順延した、という変更は日報に反映されないと出面と原価の数字がずれます。

工程が組み替わった当日のうちに、その日の実績と翌日の予定を両方入力するルールにしておくと、後から「あの日何があったか」を追いやすくなります。

2025年12月施行の改正建設業法では、天候や下地状況といった塗装特有のリスク情報を契約段階で明記することが求められるようになりました。日報に工程変更の理由まで残しておくと、契約書の記載内容と現場実態の突き合わせがしやすくなり、トラブル防止にもつながります。

ここでつまずく

「雨で休みだから今日は入力なし」で済ませてしまうと、月末に出面日数が合わず、原価計算がずれます。休んだ日も「中止」の一行だけは残しておきます。

手順4:月末ではなく週次で原価を確認する

日報が溜まっていても、見るのが月末だけでは手遅れです。週に1回、現場ごとの人工数×人工単価と塗料使用量を突き合わせて、見積もり時の原価と実績原価のズレを確認します。

ズレが出ている現場は、その週のうちに理由を職人に確認します。希釈率が指定より濃かった、標準塗布量より多く使っていた、といった原因は現場が終わってからでは聞き出しにくくなります。

週次確認を続けると、3ヶ月ほどで「この現場は毎回原価が甘くなる」といった会社側のクセも見えてきます。ここまで来ると、利益率の見える化が実際の見積もり精度改善に繋がり始めます。

日報の先にある経営課題まで含めて考える

塗装工事業では2026年に入ってから倒産件数が前年より増えている状況が報告されています。職人不足や資材高騰に加えて、改正建設業法による人件費上昇への対応が、体力のない事業者を追い込んでいる面があります。

日報アプリで原価と利益率を週次で見える化できると、値上げ交渉や価格転嫁の根拠を数字で示せるようになります。感覚ではなく実績データで「この現場はここまで原価が上がっている」と元請に説明できるかどうかは、これからの交渉力に直結します。

また業界では後継者不足からM&Aや事業承継が進んでおり、事業承継の相談は地域の商工会議所や中小企業庁の窓口でも受け付けています。承継や譲渡を検討する際も、現場ごとの利益率が数字で残っている会社の方が、相手先への説明がしやすくなります。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営する中で、現場写真だけがスマホに溜まって原価が決算まで見えないという同じ壁にぶつかりました。そこで代表の井上が自社の現場運営から日報アプリ「Anga」を作り、出面・原価・工程を1つの画面で追えるようにしています。まずは1現場からでも試せますので、日報の入力ルールが固まったタイミングで触ってみてください。

写真は撮ってるのに、この現場が黒字か赤字かは決算まで分からなかった

よくある質問

Q. 現場 日報 アプリを導入すると職人の入力負担は増えませんか

最初に項目を5つ程度に絞れば、紙の日報やLINE報告より入力時間は短くなるケースが多いです。慣れるまでの1〜2週間は監督が声かけを続けることで定着しやすくなります。

Q. すでにExcelで原価管理しているのですが乗り換える意味はありますか

Excelは入力者が別々だと転記ミスが起きやすく、週次で確認するには手間がかかります。日報アプリなら現場入力がそのまま原価集計に反映されるため、月末や決算での手戻りが減ります。

Q. 雨天中止など工程変更が多い現場でも運用できますか

できます。中止や順延も「実績」として一行入力するルールにしておけば、出面日数と原価のズレを防げます。改正建設業法で求められるリスク情報の記録にもそのまま活用できます。

あわせて読みたい


By

お問い合わせ

些細なことでもお気軽にご連絡ください。