9人分の出面手入力で給与ミス連発|塗装会社の実例
職人9人、工期47日、缶数312缶の現場で何が起きたか。エクセル集計に半日かけても給与ミスが消えなかった塗装会社の1ヶ月を追いました。
1. 9人×47日、シリコン312缶の改修工事が始まった
2. 25日目、応援職人の日当が2種類あることが発覚
3. なぜ半日かけても給与ミスは消えなかったのか
4. 翌月、同じ現場で変えたこと
9人×47日、シリコン312缶の改修工事が始まった
築28年、5階建て42戸のマンション改修です。
外壁は爆裂補修からの下地処理、屋上防水、鉄部塗装まで含む一式工事でした。
職人は自社2人、応援7人の合計9人体制。工期47日、使用塗料はシリコン系3分艶を中心に312缶を発注しました。
出面(職人の日々の出勤・稼働記録)は現場監督が手書きの野帳に記録し、月末に事務員がエクセルへ転記する流れです。
この現場も最初はいつも通りのやり方で回り始めました。
25日目、応援職人の日当が2種類あることが発覚
問題が表面化したのは工期25日目でした。
応援で入っていた職人のうち2人は、下地処理の日は日当1万8千円、吹付作業の日は2万円という条件だったのです。
野帳には「A班/B班」としか書かれておらず、事務員はどちらの単価か判断できませんでした。
電話で現場監督に確認しようにも、監督は別現場の足場立会いで捕まりません。
結局その日の集計は保留のまま、他の職人分だけ先に転記を進めることになりました。
半日がかりの集計で起きた入力ミス
月末、9人×47日分の出面をエクセルに手入力する作業は丸半日かかりました。
保留にしていた2人分を後から差し込んだ際、行がずれて別の職人の欄に日当を入力してしまったのです。
給与計算ソフトに転記した後で気づき、支給日の2日前に全員分を再チェックする羽目になりました。
半日かけて集計したのに、支給日2日前にまた全員分見直しですよ
なぜ半日かけても給与ミスは消えなかったのか
この現場で起きたことは、特別な事故ではありません。
手入力である以上、避けられない構造的な弱さがそこにあります。
- 野帳の記載ルールが監督ごとに違う(A班/B班のような略記が統一されていない)
- 保留案件を後から差し込むと行ズレが起きやすい
- 単価が「日当×人工」の単純計算でなく、作業内容で変わる職人がいる
- 事務員は現場を見ていないため、記載の矛盾に気づけない
312缶の塗料発注や工程管理には歩掛(作業1単位あたりの工数)を使って精緻に計算するのに、出面と日当だけは手作業に頼る会社が多いのです。
ここが崩れると、どれだけ現場管理が上手くても給与計算で信用を失います。
翌月、同じ現場で変えたこと
この会社は翌月の別現場から、出面の記録方法を変えました。
職人本人がスマホで出勤・稼働を打刻し、単価条件も職人ごとに事前登録しておく形です。
監督が野帳から転記する工程自体をなくしたことで、行ズレや聞き間違いが起きる余地が減りました。
集計時間は半日から1時間程度まで縮まり、給与計算前の再チェック作業もほぼ不要になっています。
私たちイーテクノス自身も、塗装会社を経営する中で同じ出面トラブルを何度も経験してきました。
その経験から作ったのが出面管理アプリ「Anga」です。
職人ごとの単価条件を登録できるため、A班B班のような略記に頼らず単価判断ができます。
手入力そのものをなくしたい会社は、まず1現場だけ試してみるところから始められます。
よくある質問
Q. 出面管理アプリを導入すると、エクセル集計の時間はどのくらい減りますか
職人9人・工期1ヶ月規模の現場では、手入力の半日作業が1時間前後まで縮まるケースが多いです。転記工程自体をなくすことで、行ズレや聞き間違いによる給与ミスも同時に減らせます。
Q. 職人ごとに日当が違う場合、アプリでどう管理しますか
職人ごとに単価条件を事前登録しておく方式なら、作業内容による単価違いも打刻時に自動反映されます。野帳の略記に頼らずに済むため、監督不在時でも事務員が単価を判断できます。
Q. 紙の野帳からアプリに切り替えるタイミングはいつがいいですか
繁忙期の途中で切り替えると現場が混乱しやすいため、1現場が終わるタイミングか、比較的落ち着いた月初からの切り替えが現実的です。まず1現場だけで試す会社が多い印象です。