塗料在庫が崩壊する3つの原因と発注の断ち方
棚に余った塗料は開けたら未使用でも中古扱いです。捨てるに捨てられず積み上がる理由は、根性論ではなく発注の仕組みそのものにあります。
1. 棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない
2. 原因① 在庫が「数字」になっていない
3. 原因② 急な買い出しの方が「安く」見える
4. 原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから
5. 棚卸しをやめて、発注の入口を変える
棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない
外壁塗装の現場が終わって余った塗料を、とりあえず棚に戻す。これ自体は珍しい判断ではありません。
問題はその後です。次の現場で同じ色番(日塗工の番号)が出た時、棚の在庫を確認するより先に、塗料屋に電話して新品を発注してしまう。
結果、棚には開封済みの半端な量が眠り続け、発注書には毎回フルセットの数量が並びます。半年後に棚を見ると、同じような色のシリコン塗料が3缶も4缶も出てくる。これが多くの塗装会社で起きている光景です。
原因① 在庫が「数字」になっていない
在庫管理と聞くと大掛かりなシステムを想像しがちですが、実態はもっと手前の話です。
そもそも「今、棚に何がどれだけあるか」が数字になっていません。目視と記憶だけが頼りです。現場が5件、10件と重なれば、誰の頭の中にも正確な残量は残りません。
記憶に頼る限り、精度は上がらない
人工(にんく)の割り振りや工程管理は日報で追えても、資材だけは「棚を見ればわかる」という前提で運用されがちです。見ればわかるはずの棚が、実は一番ブラックボックスになっています。
原因② 急な買い出しの方が「安く」見える
在庫を数値化するには、入庫と出庫を記録する手間がかかります。歩掛(作業1単位あたりの工数)を計算するのと同じで、最初は面倒に感じます。
一方、急な買い出しは「その場で解決する」という即効性があります。監督からすれば、棚の在庫を調べて数量を突き合わせるより、塗料屋に電話して届けてもらう方が早い。
この「今日の楽さ」が積み重なった結果が、月末の請求書に乗ってくる余分な発注です。一件あたりは数千円でも、現場が10件あれば月に数万円単位の無駄買いになっているケースは少なくありません。
原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから
余剰在庫を捨てる時、産廃費用は別枠で計上されることが多く、資材費の無駄として認識されにくい構造があります。
塗料は開封後の保管期限もあり、希釈率の調整が難しくなった缶は結局処分行きです。この処分費が「仕方ない出費」として毎年同じように発生し続けます。
誰も悪くないのに、誰も止められない。これが放置され続ける最大の理由です。担当者を責めても、仕組みが変わらなければ同じことが翌年も起きます。
棚卸しをやめて、発注の入口を変える
数値化を「棚卸し作業を増やすこと」だと捉えると、現場は必ず反発します。監督も職人も、事務作業を増やしたくて塗装業をやっているわけではありません。
断つべきは棚卸しの頻度ではなく、発注する瞬間の判断材料です。発注する時に「今どの現場にどの色番がいくつあるか」がその場で見えれば、電話する前に手元で答えが出ます。
私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として同じ悩みを抱えていました。現場ごとの在庫が決算まで見えず、余剰も欠品も後から気づく状態が続いていたのです。
棚に何本あるか聞かれて、見に行かないと答えられないのが当たり前でした。
そこで開発したのが、LINEで発注すれば在庫と紐づいて記録されるAngaです。特別なアプリを覚える必要はなく、普段のLINEのやり取りの延長で、棚の中身が数字として残っていきます。
棚を見て考える前に、手元の画面で答えが出る。それだけで、急な買い出しも余剰廃棄も、少しずつ減らせます。
よくある質問
Q. 塗料の在庫管理はエクセルでも十分ですか
件数が少ないうちは十分ですが、現場が増えると入力が追いつかず更新が止まりがちです。発注のタイミングで自動的に記録が残る仕組みでないと、結局は目視確認に戻ってしまいます。
Q. 余った塗料はどこまで保管しておくべきですか
開封後は希釈済みの状態や保管環境で劣化が進むため、色番と開封日を記録し、次回同じ現場が半年以内に見込めない場合は早めの使い切りか処分判断をおすすめします。
Q. 在庫管理を始めるなら何から手をつければいいですか
棚卸しから始めるより、まず発注のたびに何をどれだけ使ったか記録する仕組みを作ることが近道です。発注の入口で数字が残れば、棚卸しの手間そのものが減っていきます。