塗料缶3缶分、毎月消えていませんか?紛失処理の罠
「多めに積んでおく」が口癖の会社ほど、期末に在庫と現金が合いません。予備缶の紛失処理が粗利を静かに削る構造を、数字で解説します。
「多めに積む」が習慣化する理由
外壁塗装の現場では、色番(日塗工・ND色)を間違えると即アウトです。だから現場監督は「念のため1缶多く積んでおく」を習慣にします。
築30年マンション改修のような大規模現場だと、下地処理の状態次第で希釈率も変わり、想定より多く塗料を使うこともあります。だから予備缶を積む判断自体は、決して間違っていません。
問題は、その予備缶が「使われたか」「余って倉庫に戻ったか」「現場に置き忘れたか」を誰も記録していないことにあります。
夜21時の事務所で、日報を見ながら「あの現場、3分艶のシリコンあと何缶残ってたっけ」と聞いても、誰も即答できません。
この「記録されない予備」が、後々の在庫差異の種になります。
紛失処理という名の粗利流出
予備缶が現場に残ったまま次の現場に移動すると、多くの会社は「紛失」として処理し、経費で落とします。
ですが、これは会計上は経費でも、実態は「まだ使える資産を捨てた」のと同じです。
- 1缶(16kg缶)あたり単価8,000〜12,000円程度
- 現場10件を回す中規模会社なら、月に3〜5缶の紛失処理は珍しくありません
- 年間で見ると、30万〜60万円が「消えた在庫」として粗利から抜けていきます
これは架空の統計ではなく、塗装会社なら現場感覚で「そのくらいありそう」と頷ける数字です。
現場帰りの軽トラの荷台に、使いかけの缶がゴロゴロ転がっているのを見たことがある方は多いはずです。あれは全部、帳簿に載らない粗利の漏れです。
改正建設業法(2025年12月施行)で契約内容や原価管理の明確化が求められる中、この「見えない在庫」を放置する経営体力はもう残っていません。
あの現場、缶何本残ってたか誰も覚えてない
なぜ在庫として計上されないのか
塗料缶を在庫計上しない理由は、単純に「面倒だから」です。
現場ごとに使用量を正確に記録するには、色番・希釈率・標準塗布量を都度メモし、事務所に戻ってから転記する必要があります。
LINEに溜まる日報を見返しても、「〇〇マンション、クリマイ(クリーンマイルドシリコン)使用」としか書かれておらず、缶数までは書かれていません。
職人は塗ることが仕事で、在庫管理は本来別の仕事です。ここを分業できていない会社ほど、予備缶の行方が曖昧になります。
- 現場ごとの使用缶数が記録されない
- 余った缶が倉庫に戻る流れが仕組み化されていない
- 紛失か在庫かの判断基準がない
この3つが揃うと、粗利は毎月少しずつ、しかし確実に減っていきます。
Angaが塗装業に特化して作られた理由
Angaを開発したのは、塗装会社を実際に経営する井上恭介(株式会社イーテクノス)です。
汎用の在庫管理ツールでは、「色番N80を発注書に手入力して間違えた」「クリマイと打ったら別の商品が出てきた」といった、塗装業特有のつまずきに対応できません。
Angaは現場ごとの缶数・色番・希釈率を発注段階から記録し、余った予備缶が「紛失」ではなく「戻すべき在庫」として見える仕組みを作ります。
職人の言い回しの癖(クリマイ→クリーンマイルドシリコン)も学習していくため、現場で使う言葉のまま記録が残ります。
色番の確認電話で「あれ、前回何色でしたっけ」というやり取りも、履歴を見れば数秒で解決します。
粗利が漏れる場所を、経営者自身が塗装会社をやっていたからこそ、具体的に潰しにいくツールです。