塗装業の原価管理、赤字が現場後にしか分からない理由

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塗装業の原価管理、赤字が現場後にしか分からない理由

塗料の使用量も人件費も現場が終わるまで分からない。この状態を放置すると、儲かる現場と赤字現場の区別がつかず、会社全体の利益率が静かに削られていきます。


1. 決算書を見て初めて赤字に気づく会社

2. 紙・Excel・専用アプリ、どこで差がつくのか

3. 表で見る、3つの手段の違い

4. 改正建設業法で「後回し」が通用しなくなる

5. 記録の手間を減らした先にあるもの

決算書を見て初めて赤字に気づく会社

外壁塗装の現場が終わって請求書を出し、材料屋への支払いを済ませ、それでも「この現場、儲かったのか」と聞かれて即答できない社長は少なくありません。

理由は単純です。塗料の使用量は現場ごとにメモや職人の口頭報告に頼り、人件費は出面(現場ごとの出勤日数)を月末にまとめて集計する。どちらも現場が終わるまで、いや決算が近づくまで数字が出てきません。

築30年マンションの改修と新築の外壁塗装では、下地処理の手間も希釈率も歩掛もまるで違います。ところが原価管理を後回しにしている会社では、この2つの現場を同じ「工事」として売上だけで見てしまいます。結果、実は赤字だった現場を来期も同じ条件で受けてしまう。これが利益率を下げ続ける構造です。

紙・Excel・専用アプリ、どこで差がつくのか

原価管理をやろうとした会社が最初にぶつかる壁は「どの手段で記録するか」です。紙の現場帳票、Excelの原価管理表、専用アプリ。どれも「記録する」という機能は同じですが、現場目線で見ると差は歴然です。

紙は書く手間そのものが職人の負担になります。ケレン(下地の錆や旧塗膜を削る作業)や吹付作業の合間にメモを取る余裕がある職人は多くありません。結果、記録が抜けたり、後から記憶で埋めたりして、数字の精度が落ちます。

Excelは事務所に戻ってから入力する運用になりがちです。現場と入力の間に時間差が生まれ、色番(日塗工の番号など)や使用量の記憶違いが起きやすくなります。しかも複数現場のExcelファイルを社長が一つひとつ開いて見なければ、儲かる現場と赤字現場の比較ができません。

専用アプリは現場でその場に近い形で入力でき、社内の誰が見ても同じ画面で現場ごとの原価が並びます。共有のしやすさとミス率の低さが、紙・Excelとの決定的な違いです。

表で見る、3つの手段の違い

どの手段が自社に合うかは会社の規模や体制によりますが、まずは客観的に並べて比較してみます。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の帳票 現場で書く負担が大きい 記憶頼りで高い 社長が集めて回る必要あり 印刷代程度で低い
Excel 事務所での入力作業が発生 入力時の記憶違いが起きやすい ファイルを開かないと見えない ソフト代のみで低い
専用アプリ 現場でその場に入力できる 入力ルールが統一され低い 全員が同じ画面をリアルタイムで見られる 月額利用料がかかる

改正建設業法で「後回し」が通用しなくなる

2025年12月施行の改正建設業法では、労働者の待遇改善が求められ、人件費上昇への対応が経営課題として明確になりました。契約書の記載事項も厳格化され、著しく短い工期の禁止や、天候・下地状況といった塗装特有のリスク情報の提供義務も新たに規定されています。

これは裏を返せば、原価を把握していない会社ほど価格転嫁の根拠を示せず、適正な請負代金への変更交渉ができないということです。人件費がいくら上がったのか、現場ごとの歩掛がどう変わったのかを数字で説明できなければ、元請との交渉の場に立てません。

倒産件数が増えている今の業界状況では、原価管理の後回しは単なる社内の課題ではなく、会社が生き残れるかどうかの分岐点になっています。

記録の手間を減らした先にあるもの

原価管理を仕組み化する目的は、社長の手間を増やすことではありません。むしろ逆で、記録の手間を減らしながら、儲かる現場と赤字現場を見分けられるようにすることです。

私たちイーテクノスは塗装会社を経営する中で、まさにこの「現場が終わるまで原価が分からない」状態に苦しみました。代表の井上自身が現場を回しながら、塗料の使用量や人件費をリアルタイムで把握できる仕組みが欲しくて作ったのがAngaです。

現場が終わってから儲かったか分かるんじゃ、遅すぎるんですよね

紙やExcelでの管理に限界を感じている会社であれば、現場ごとの原価をその場で記録し、社内で共有できるアプリという選択肢を検討する価値があります。

よくある質問

Q. 塗装業で原価管理が後回しになりやすいのはなぜですか

現場作業が優先され、塗料の使用量や人件費の記録は「後でまとめて」になりがちだからです。紙やExcelでは現場と入力の間に時間差が生まれ、記憶違いや記録漏れが起きやすく、結果として決算まで現場ごとの利益が見えない状態が続きます。

Q. 原価管理を始めるなら紙・Excel・アプリのどれがいいですか

現場数が少なく職人も限られる会社なら紙やExcelでも運用できますが、現場が増えるほど共有の手間とミス率が課題になります。複数現場を並べて儲かる現場と赤字現場を比較したい会社は、専用アプリの方が向いています。

Q. 改正建設業法は塗装会社の原価管理にどう関係しますか

2025年12月施行の改正建設業法により、人件費上昇への対応や契約内容の明確化が求められます。原価を把握していないと価格転嫁の根拠を示せず、元請との請負代金の交渉が不利になるため、原価管理の仕組み化が急務になっています。

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