月末請求書待ちが赤字現場を生む理由

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月末請求書待ちが赤字現場を生む理由

月末請求書待ちが赤字現場を生む理由

月末に請求書が揃って、初めてその現場が赤字だったと分かる。この順番を変えない限り、赤字現場は止められません。現場ごとに都度原価を見る手順を、明日から使える粒度で解説します。


1. なぜ「月末に分かる」が手遅れなのか

2. 手順1:現場ごとに「原価の箱」を作る

3. 手順2:発注・出面のたびに「その日」入力する

4. 手順3:現場が7割終わった時点で一度見る

5. 手順4:赤字傾向が見えたら、次の受注前に止める

6. 手順5:月1回、全現場を並べて振り返る

なぜ「月末に分かる」が手遅れなのか

外壁塗装の現場が同時に8件動いていると想像してください。塗料の使用量、下請けの人工(1日あたりの作業量)、資材の追加発注。これらの請求書が事務所に揃うのは早くて現場完了の2〜3週間後です。

つまり赤字が確定するのは、その現場がもう終わった後です。次の現場の見積りは、赤字の原因が分からないまま同じ歩掛(作業1単位あたりの工数)で組まれます。赤字現場を止められないのではなく、止める判断をする材料が届く頃には現場が終わっているのです。

塗装工事業の倒産は2026年1月〜4月で前年同期より増えています。職人不足と資材高騰、原油・ナフサ供給不安が重なり、どんぶり勘定の会社ほど利益が薄い現場を積み重ねて資金が持たなくなっています。原価管理は経理の作業ではなく、会社を続けるための手順です。

手順1:現場ごとに「原価の箱」を作る

最初にやることは、案件番号や現場名で原価を分ける箱を作ることです。塗料代、シンナー・希釈材、足場代、養生材、下請け人工、自社人工、諸経費の7項目で十分です。

Excelでもノートでも構いません。ここでつまずくのは、複数現場の資材をまとめて1回で発注してしまい、後からどの現場にいくら使ったか分からなくなるパターンです。まとめ買いする場合は、発注メモに現場名と数量の割合を必ず書いておきます。

手順2:発注・出面のたびに「その日」入力する

月末にまとめて入力するのをやめて、発注した日、職人が現場に入った日にその都度入力します。塗料屋に電話した直後、現場監督が出面(誰が何日入ったか)を確認した直後がタイミングです。

つまずきやすい入力ミス

色番(日塗工・N80など)の読み違いや数量の書き間違いは、後から見返しても気づきにくいものです。発注した本人がその場で入力すれば、値段と数量の記憶が新しいうちに正確な数字が残ります。

入力を後回しにする会社の多くは「まとめて入れた方が早い」と考えますが、実際は1件ずつ思い出す作業のほうが時間がかかります

手順3:現場が7割終わった時点で一度見る

完成を待たず、進捗7割の時点で使った原価と請求予定額を並べます。ここで見積り時の予算と実際のズレが初めて見えます。

雨で3日工程が流れて、下請けを別日程で入れ直した現場は、この時点で人工が予算超えしていることが多いです。7割で気づけば、残り3割の工程で仕上げ品質を落とさずコストを抑える判断ができます。月末に気づいても、もう打つ手がありません。

手順4:赤字傾向が見えたら、次の受注前に止める

7割時点で赤字傾向の現場が出たら、その原因を次の見積りに反映するまで新規受注の見積り条件を変えません。これが「赤字現場を止める」の実態です。止めるのは現場ではなく、同じ条件での受注です。

2025年12月施行の改正建設業法では、請負代金の変更方法の明確化と、著しく短い工期の禁止が新たに規定されています。人件費が上がっている前提で価格転嫁の仕組みを契約書に落とし込んでおくことが、これからの受注条件になります。

労働条件改善で人件費が上がる以上、従来の歩掛のままの見積りは赤字の温床になります。原価管理で気づいたズレを、契約書の記載事項にまで反映させる会社が、法改正後も生き残ります。

手順5:月1回、全現場を並べて振り返る

月末は集計の場ではなく、振り返りの場に変えます。7割時点で見た現場の実績と、完成後の最終原価を並べて、どの項目でズレたかを確認します。

ここでのつまずきは、赤字の原因を「資材高騰のせい」で終わらせてしまうことです。同じ現場条件でも、発注のタイミングや職人の割り付け次第でズレは縮められます。原因を項目単位まで分解して初めて、次の見積りに反映できます。

この手順を紙とExcelでやろうとすると、入力する人の手間が結局月末に集中してしまいます。私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、現場ごとの利益が決算まで見えない状態に長く苦しみました。その経験から、LINEで発注や出面を送るだけで現場ごとの原価が都度分かるツール「Anga」を作りました。

手順2の「その日入力」を仕組み化したいなら、まず7日間無料で試してみてください。

完成してから儲かったか分かるんじゃ、次の見積り直せないんだよな

よくある質問

Q. 塗装業の原価管理は何から始めればいいですか

現場ごとに原価を分ける箱を作ることから始めます。塗料代・足場代・人工などの項目を決め、発注や出面のたびにその日入力する習慣をつければ、月末集計に頼らず現場の途中で赤字傾向に気づけます。

Q. どんぶり勘定から脱却するのに大がかりなシステムが必要ですか

最初はExcelやノートでも構いません。重要なのは入力のタイミングを月末からその日に変えることです。仕組みが定着してから、LINEなど普段使う手段で入力できるツールに移行すると負担が減ります。

Q. 改正建設業法は原価管理にどう関係しますか

2025年12月施行の改正で請負代金の変更方法明確化や工期に関する規定が強化されました。原価のズレを見積り条件や契約書に反映する仕組みがないと、価格転嫁ができず人件費上昇分を吸収できません。

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