見積3回値引きされた塗装会社の失敗原因

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見積3回値引きされた塗装会社の失敗原因

外壁368㎡、鉄部28箇所。この現場の見積もりが3回も値引きされた理由は、金額の根拠を誰も説明できなかったからでした。ある改修工事の一部始終です。


1. 戸数24戸、外壁368㎡の見積もりが3回突き返された朝

2. 「値引きされる会社」と「されない会社」の分かれ目

3. 29缶・人工32人・工期12日で組み直した2回目の見積もり

4. 根拠のある見積もりが利益を守る理由

戸数24戸、外壁368㎡の見積もりが3回突き返された朝

築22年、鉄筋コンクリート造3階建て、24戸の賃貸マンション。管理会社からの改修依頼で、外壁塗装368㎡、鉄部(手すり・階段)28箇所、屋上防水120㎡という規模でした。

見積もりを作ったのは現場歴15年の営業担当です。過去に似たような規模の物件を何件もやってきた自負があり、シリコン塗料で外壁単価2,800円、缶数は下地処理の状態を見て15缶と、経験の記憶だけで数字を積みました。

提出した金額は198万円。管理会社の担当者から返ってきたのは「他社は165万円でした。この差は何ですか」という一言でした。

答えられませんでした。歩掛(作業1単位あたりの工数)の内訳も、缶数の根拠も、頭の中にしかなかったからです。結局30万円値引きして受注しましたが、利益はほぼ人工代だけで消えました。

「値引きされる会社」と「されない会社」の分かれ目

この現場を機に、社長が過去5年分の実行予算と実際にかかった原価を洗い出しました。すると恐ろしいことが分かりました。

外壁塗装で使うシリコン塗料は、この会社の標準塗布量で計算すると1缶あたり約12〜14㎡が実測値でした。368㎡なら26〜30缶が妥当な数字です。営業担当が出した15缶は、下地の劣化度を考えると明らかに少なすぎました。

缶数が足りなければ、現場は必ず追加発注になります。追加発注は工程を止め、人工が余分にかかり、結果として利益を削ります。198万円という金額は、実は最初から赤字予備軍だったわけです。

値引きされる会社の共通点

  • 見積もり根拠が「担当者の記憶」だけ
  • 缶数・人工・歩掛の内訳が書面に残らない
  • 過去の実行予算とのズレを検証していない

値引きされない会社は、この3点が逆になっています。数字が残っていて、いつでも説明できる状態です。

29缶・人工32人・工期12日で組み直した2回目の見積もり

次に似た規模の物件(外壁380㎡、鉄部30箇所)が来たとき、この会社はやり方を変えました。

過去の実行予算データを引っ張り出し、外壁塗装は29缶、鉄部塗装で2缶、屋上防水で8缶と積算。人工は下地処理2人×3日、中塗り上塗りで3人×4日、鉄部と防水で2人×3日、合計で32人工。工期は養生から足場解体まで12日で組みました。

見積書には「外壁塗装 368㎡ シリコン塗料 塗布量14㎡/缶 29缶 人工18人分」というように、数字の根拠を1行ずつ添えました。

提出金額は212万円。元請から「内訳を見せてほしい」と言われましたが、今度は資料をそのまま渡すだけで済みました。値引き交渉は起きませんでした。差額はゼロ円です。

根拠のある見積もりが利益を守る理由

この2件の差は、缶数の精度でも人工の読みでもありません。過去の実績を数字として引き出せる状態にしていたかどうかです。

記憶に頼った見積もりは、担当者が変わった瞬間に再現できなくなります。逆に、実行予算と実績原価がデータとして残っていれば、次の現場で同じ失敗を繰り返しません。

内訳出しただけで交渉止まったの、正直拍子抜けしました

私たちイーテクノスも、もともとは塗装工事を請け負う会社です。代表の井上が現場で見積もりを作るたびに、過去の実行予算を紙やExcelから探し出す作業に毎回30分以上かかっていました。この非効率を解決するために、自社の現場で使うツールとしてAngaを作りました。

Angaは過去の見積もり・実行予算・実績原価を蓄積し、似た規模の現場を呼び出して缶数や人工の目安をすぐ確認できるようにしたクラウドツールです。記憶ではなく記録で見積もりを作れるようになります。

値引き交渉のたびに根拠を探す時間をなくしたい方は、一度試してみてください。

よくある質問

Q. 塗装工事の見積もりソフトを導入すると、既存の見積書フォーマットは使えなくなりますか

多くのツールは既存のExcel様式や社内フォーマットを取り込んで運用できます。Angaも過去の見積書データを移行しながら、缶数・人工・単価の内訳を蓄積していく形なので、フォーマットを一から作り直す必要はありません。

Q. 見積もりソフトを使えば値引き交渉は本当になくなりますか

交渉自体がゼロになるわけではありませんが、缶数・歩掛・人工の根拠を即座に提示できると、感覚的な値引き要求は大きく減ります。過去の実行予算データを蓄積しているほど説得力が増します。

Q. 職人歴が浅い担当者でも根拠のある見積もりは作れますか

作れます。過去の類似現場の缶数や人工実績をデータとして呼び出せる仕組みがあれば、経験の長さに頼らず一定水準の見積もりが組めます。属人化を防ぐこと自体がこうしたツールの目的の一つです。

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