塗装発注、同じ塗料でなぜ単価差5千円

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塗装発注、同じ塗料でなぜ単価差5千円

同じシリコン塗料なのに、A社は18kg缶で3万2千円、B社は2万7千円。この差に気づかず10年発注し続けている塗装会社は珍しくありません。原因と手順を解説します。


1. なぜ単価比較をせず発注し続けるのか

2. 手順1:発注前の準備|過去1年分の発注履歴を並べる

3. 手順2:発注のやり方|3社見積もりを固定ルール化する

4. 手順3:ミスを防ぐ確認|発注書と現場報告を突き合わせる

5. 仕組み化した先に残る作業をどう減らすか

なぜ単価比較をせず発注し続けるのか

塗装会社の発注は、見積もりや請求書ではなく「電話一本」で決まることが多いです。

築25年の戸建て現場で下地処理の追加が発生した朝、監督は真っ先に付き合いの長い職人に電話をかけます。段取りが早いから、と。

この「早さ」が単価の検証を飛ばす理由になります。急ぎの発注ほど、相見積もりを取る時間的余裕がないからです。

結果として、同じ日塗工の色番でも、塗料店ごとの卸値差が放置されたまま数年が過ぎます。現場が10件動いていれば、月の発注件数は50件を超えることも珍しくありません。1件あたり数百円の差でも、年間では数十万円の機会損失になります。

手順1:発注前の準備|過去1年分の発注履歴を並べる

最初にやることは、過去1年分の発注書または請求書を、塗料の種類ごとに並べることです。

シリコン、フッ素、無機と塗料グレード別に分け、同じ商品名・同じ缶サイズで発注先ごとの単価を横に並べます。エクセルでも紙でも構いません。

ここでつまずく

発注書に「品名:塗料」としか書いていないケースです。缶サイズも希釈率も書かれていないと、単価比較そのものができません。過去の発注書に品番・容量の記載がない場合は、まず今日から書式を統一するところから始めます。

手順2:発注のやり方|3社見積もりを固定ルール化する

次に、新規現場が立ち上がるたびに、主要な塗料だけは最低2社、できれば3社に見積もりを取るルールを作ります。

全ての発注を毎回比較する必要はありません。手間が現場を圧迫します。年間発注量の多い上位3品目、例えば外壁用シリコン・屋根用遮熱塗料・下塗りシーラーだけに絞れば、比較作業は月1時間程度で済みます。

ここでつまずく

「付き合いのある職人の顔を立てるため」という理由で、比較した結果を伝えずに従来通り発注してしまうケースです。比較する意味は、価格交渉の材料にすることにあります。黙って続けるなら比較した意味がありません。

手順3:ミスを防ぐ確認|発注書と現場報告を突き合わせる

発注した数量と、実際に現場で使った塗布量にズレがないかを、月末に一度だけ確認します。

標準塗布量(例:シリコン塗料で0.15〜0.2kg/㎡)から大きく外れている現場があれば、希釈率の指示ミスか、発注数量の見積もりミスのどちらかです。

新人の現場監督が色番を読み違えて、ND番号の近い色を発注してしまうこともあります。色番間違いは、発注書に色見本の写真を添付するだけで防げます。

確認のタイミングを「月末の1回」に固定すると、忙しい時期でも継続できます。毎回チェックしようとすると、結局続きません。

仕組み化した先に残る作業をどう減らすか

手順1〜3を回せば、発注先ごとの単価差は見える化できます。ただし、この作業を紙とエクセルで毎月続けるのは正直しんどいです。

発注履歴と現場ごとの原価が自動で紐づけば、比較作業そのものが要らなくなります。

付き合い長いから頼んでるだけで、単価なんて何年も見直してなかったな

私たちイーテクノスは塗装会社を経営する中で、この「発注履歴が現場ごとに残らない」問題に何年も悩まされてきました。発注管理アプリのAngaは、その経験から自社の現場のために作った仕組みです。発注先・単価・現場を紐づけて記録できるので、比較のための手作業が要らなくなります。

付き合いの長さで発注先を選ぶこと自体は、悪いことではありません。ただ、その選択が数字の裏付けを持っているかどうかで、10年後の利益は変わります。

よくある質問

Q. 塗装発注のミスで一番多い原因は何ですか

品番・容量・希釈率の記載漏れが最多です。発注書に「塗料」としか書かず、後から缶サイズや色番を電話で確認する運用だと、聞き違いによる発注ミスが起きやすくなります。書式の統一が最初の対策です。

Q. 職人ごとの単価比較はどのくらいの頻度でやればいいですか

全品目を毎回比較する必要はありません。年間発注量の多いシリコンや遮熱塗料など上位2〜3品目に絞り、月1回、過去の発注履歴を並べて確認する程度で十分です。

Q. 付き合いの長い職人への発注をやめるべきですか

やめる必要はありません。比較した結果を交渉材料にして、価格差が大きい場合だけ相談する運用が現実的です。関係を切らずに単価だけ是正できるケースが多くあります。

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