支払期日60日超え、下請け違反の実態

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支払期日60日超え、下請け違反の実態

外壁塗装、足場延べ800㎡、工期21日の現場で下請け報酬の支払いが42日後になっていました。改正建設業法の支払期日ルールを知らないまま続けていた1社の話です。


1. 築28年マンション、鉄部塗装だけで職人が3日足止めされた朝

2. 「今回は待って」が積み重なって42日後払いになっていた

3. 下請け社長からの一本の電話で発覚した

4. 締め日を1本化してから起きた変化

築28年マンション、鉄部塗装だけで職人が3日足止めされた朝

埼玉県内、築28年の賃貸マンション改修でした。外壁シリコン塗装と鉄部塗装、足場延べ800㎡、工期21日、人工にして延べ34人工の現場です。

下請けは鉄部専門の塗装会社で、社長と職人2人の3人体制。手すりと階段の鉄部塗装だけで3日、缶数にして油性シリコン14缶を使う予定でした。

ところが元請の社長が「今月は資金繰りが厳しいから支払いは来月末で」と口頭で伝えたのは、作業が終わった後でした。締め日も支払日も現場ごとにバラバラで、社長の頭の中にしかルールがなかったそうです。

「今回は待って」が積み重なって42日後払いになっていた

この元請、下請けへの支払いを「毎月20日締め・翌月末払い」と契約書には書いていました。ただし実際は現場の資金繰り次第で、25日払いになったり、翌々月にずれ込んだりしていました。

鉄部塗装が完了したのは3月10日。本来のルールなら3月20日締め、4月末払いのはずが、実際に振り込まれたのは4月21日でした。作業完了から数えて42日後です。

改正建設業法では、下請け代金の支払期日は「注文者が目的物の引き渡しを受けた日から起算して50日以内」かつ「できる限り短い期間内」と定められています。50日以内という数字だけを見て「セーフ」と思い込んでいる社長は少なくありません。

ただしこの現場、鉄部塗装が終わった時点では外壁塗装がまだ11日残っていました。全体の引き渡しではなく、下請けが担当した工事が完了した時点を起算日とする考え方に照らすと、支払いのタイミング自体が毎回ずれていたことが問題でした。

下請け社長からの一本の電話で発覚した

事の発端は、鉄部の下請け社長からかかってきた電話でした。「今月も来月末なんですか。前は25日でしたよね」という一言です。

今月だけ待ってが、いつの間にか毎回になってました

元請の社長は初めて、自社の支払いサイトが現場ごとに20日から45日までばらついていることに気づきました。締め日を統一していなかったため、月末に忙しい現場が重なると「今月は待ってもらおう」という判断を都度していたのです。

改正建設業法は、支払期日を明確に定めて契約書に記載することと、その期日を守ることの両方を求めています。口頭での「今回だけ待って」の積み重ねが、気づかないうちに違反状態を作っていました。

締め日を1本化してから起きた変化

この元請は、全現場の締め日を「月末締め・翌月末払い」の1本に統一しました。現場ごとに判断していた支払いを、経理担当が機械的に処理する仕組みに変えたのです。

最初の1ヶ月は、資金繰りの都合で「今月だけ延ばしたい」という誘惑と何度も向き合ったそうです。それでも締め日を固定したことで、下請けからの入金確認の電話は月1本、以前の月3〜4本から減りました

下請け側も次の材料発注や職人の手配がしやすくなり、鉄部専門会社の社長からは「予定が立てやすくなった」という声が出ています。

支払管理を仕組みにする方法

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、現場ごとに支払日がずれて下請けへの説明に追われた経験があります。そこで開発したのがAngaで、LINEで発注や工事の進捗をやり取りした記録がそのまま残るため、支払期日の起算日を後から社長の記憶に頼らずに確認できます。

締め日を1本化した上で、記録が自動で残る仕組みを組み合わせると、違反状態に気づかないまま続ける事態を防ぎやすくなります。

よくある質問

Q. 改正建設業法の支払期日ルールは具体的に何日以内ですか

下請け代金は、注文者が目的物の引き渡しを受けた日から起算して50日以内、かつできる限り短い期間内に支払うよう定められています。50日という上限だけでなく、現場ごとの引き渡し日を正確に把握することが起算の基準になります。

Q. 現場ごとに支払日がバラバラなのは違反になりますか

契約書に支払期日を明記していても、実際の運用が現場ごとにずれて50日を超えていれば違反状態です。口頭での「今回だけ延ばす」対応が積み重なると、社長自身が気づかないまま常態化するケースがよくあります。

Q. 下請けへの支払い管理を仕組み化するにはどうすればいいですか

まず全現場の締め日と支払日を1本化し、現場ごとの都度判断をやめることが出発点です。あわせて発注や完了報告のやり取りを記録に残せるツールを使うと、起算日の確認や社長の記憶違いによるトラブルを減らせます。

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